キャンドルの炎 「剣道審査員の目」からの珠玉のアドバイス集です!
原田源次師範 全日本剣道連盟審議員)
小川忠太郎先生は「すべてを出し切ることは人生に深く通じる」と常々申されていました。その通りだと思います。しかし小手先だけの稽古では精神的な成長は望めません。

持田盛二先生は「誰に対しても立ち上がるや、先をとった稽古」をしておられました。先をとるということは、剣道において最も重要なことです。
先をとることを体得するには、一に稽古、二に稽古です。私は機会を見つけては出稽古に行きましたし、「我以外皆師」という気持ちで稽古をやりました。そして初太刀だけは許さないぞ、と心がけました。・・・
剣道を始めたばかりの子供は無心で向かってくるので色がなく、先をとるのは難しい。・・・部位に当たる瞬間にパッと寸止めするような感じでポンと打つ。子供の気持ちを萎えさせず、意欲をかきたてるためでもあります。

私が八段を二回落ちたとき、どうしたらいいか悩みました。そんな時、中野八十二、佐藤顕、音喜多保憲先生から言葉は違えど、同じ指摘を受けたのです。
いずれも、左手の位置がツボに納まっておらず、左足が生きていないという指摘を受けたのです。
ツボに納まるとは臍下丹田の位置に左手があることで、左足が生きているとは左足が軸になっていることだったのです。 

先をとることは、人生に置き換えると、前向きに生きていくことです。前向きな姿勢で事に当たり、日々の創意工夫を怠らなければ、いつか道は拓けていきます。審査も同じではないでしょうか。(引用抜粋おわり)

「晩成」珠玉のアドバイス集を整理の理由