華麗なる一族」再放送したんですね。
このところの検索語に関連したものが多かったのはそのせい。
次は昨年いろいろ調べた内容の追加!
神戸新聞サイトなどより引用)
 今年一月四日の仕事始め。山陽特殊製鋼社長の坂東邦彦は、姫路市内の本社で社員に訴えた。
「鉄鋼業の環境は、あの四十年不況に匹敵する厳しさだ。赤字が続くような企業になれば、存続が許されないことを、社員全員が常に意識してほしい」


 負債総額約五百億円で会社更生法を申請したのは昭和四十(一九六五)年。「戦後最大の倒産」として産業界のみならず、国会や日銀までも揺るがした。
 その破たん劇をモチーフに清水一行は、推理小説の手法で高度成長期の鉄鋼業の姿を活写する。山特鋼と新日本製鉄。小説では、南海特殊鋼と帝国製鉄として描かれる。

 主人公の岡村一太郎は、剛腹な野心家社長として南海特殊鋼に君臨する。そのモデルは山特鋼倒産時の社長、荻野一(故人)

 特殊鋼の主な材料は銑鉄とスクラップ。「鉄は国家なり」の時代、増産しようにもスクラップは価格が不安定。一方の銑鉄は高炉のある富士製鉄(現新日鉄)広畑製鉄所に頼らざるを得ない。

 いま世界で一番大きい鉄鋼会社の帝国製鉄は、猛烈な生産、販売競争を行い、市場の占有率を高めるため、中小会社の系列化を促進している。南海特殊鋼もその攻勢から逃れることはできず、新鋭設備をどんどん増やしているだけに、同じ姫路に製鉄所を持つ帝国製鉄の格好の獲物だ。

 岡村は、毎年元旦に、広峯神社の山頂から、自分の会社と、その横にある帝国製鉄の高炉を見下ろすたびに、決意をあらたにした。巨大な鉄を煮る窯の溶鉱炉が完成したとき、南海特殊鋼は名実ともに世界のトップになれる。今にものみ込んでしまいかねない帝国製鉄という巨大企業の傘をはねのけたい。

 その夢はついえ、倒産後は皮肉にも新日鉄の主導で再建が進んだ。当初は「進駐軍対民族派」といわれるほど、あつれきが生じていた。

 しかし、八〇年、新日鉄の大物副社長として鳴らした大内俊司(故人)が社長に来たころに潮目が変わる。再上場を果たし、新たな資金で、かつて荻野が野望を抱いた高炉の建設予定地に製鋼工場を新設。その後、生え抜きで技術畑の上杉年一を社長に抜てきして、最高益を達成、完全復活を成し遂げた。

 倒産時、経理部員だった元専務の辻川敏明は、失脚後の荻野を何度も訪ねている。
 「決して悔やみごとは言わない人だった。経営者としては失敗したが、偉大な事業家だった。山陽の独自技術を追求する基礎をつくった人でもある」

 栄枯盛衰は、いつの時代も繰り返される。荻野が敵愾心を燃やした新日鉄も、世界レベルの合従連衡、再編の結果、世界一の座は(まったく、予想にも眼中にもなかった?)ArcelorMittalに譲っている。
Data from World Steel in Figures 2007 published online
  ArcelorMittal: 117.2 mmt
  Nippon Steel: 32.7 mmt
  JFE: 32.0 mmt
  POSCO: 30.1 mmt
  Baosteel: 22.5 mmt

 辻川はこう言った「淘汰や誕生などで新陳代謝を繰り返す産業界は、まさに生命体だ。そのなかで企業を継続させることほど難しいものはない」と

「山陽特殊鋼倒産は山崎豊子の「華麗なる一族」のほか、城山三郎と清水一行という名手二人が取り上げている。」と神戸新聞のサイトにあった。

清水一行作品は1975年に祥伝社から「雛の葬列」(後に 「殺人念書―雛の葬列」に改題)として刊行。
「雛の葬列」は推理小説で「山陽特殊製鋼倒産事件」をかなり正確に描写し、当時の粉飾決算にかかわった人間が次々に殺されていたことが明らかになっていくという経済ミステリーとのこと。

残念ながら城山作品が見当たらない・・・