角川文庫から新しいシリーズ「私のこだわり人物伝」が出た。

そもそもこのタイトル、NHK教育テレビで放映されている?番組タイトルだそうだ、だが最近テレビを見ない私は知らなかった。

文庫本シリーズの最初を飾ったのは「山本一力が語る池波正太郎」
山本一力が語る池波正太郎 私のこだわり人物伝 (角川文庫)

なかなか良かった。
巻頭には池波正太郎に関係する書斎・絵などの写真。
本題、山本一力氏の考え方に影響を与え、彼の人生の礎となった「池波」を礼賛。
そして池波正太郎の短編2作と「食べる」という随筆1篇が後半を締めくくる。

おいしいエキスが文庫本200ページで満喫できる・・・

以下「食べる」より引用

人間は、生まれると同時に、確実に[死]へ向かって歩みはじめることを、[家]の項で述べておいたが、その[死]への道程をつつがなく歩みきるために、動物は食べねばならぬ。
これほどの矛盾があるだろうか。
この一事を見ても、いかに、人間と人間がつくりあげている世界が[矛盾]にみちみちているかがわかろうというものだ。
われらの先人たちは、この道理をよくわきまえていたように思われる。
[矛盾]を[矛盾]のままとして、物事を解決する術をわきまえていたということだ。
死ぬために生き、生きるために食べる。
それはつまり、
「死ぬために食べていること・・・」にもなる。
まさに矛盾そのものである。