イギリスでは今週、シェールガス生産の一時停止措置が解除される見通し。

英国では化石燃料に関する地下資源の権利がすべて国に属しており、フラッキング(水圧破砕法)技術が誕生したアメリカのように、開発を支持する有権者層が存在しない。

アメリカでは、ニューヨークなど、土地や水への影響に対する懸念からフラッキングが制限された場所もあるが、テキサス州からペンシルバニア州にかけてのシェール層地域では、ガス会社からのロイヤリティを稼ぐ一般の土地所有者の支持を得て生産が急速に発展した。

2011年初頭、イギリスはイングランド北西部のブラックプール付近でガス田掘削を開始し、シェールガス開発に進出した。事業者のクアドリア・リソーシズ(Cuadrilla Resources)社によると、同地域には200兆立方フィート(5兆6600億立方メートル)の天然ガスが存在し、イラクの確認済み埋蔵量を超えるという。

エネルギー・気候変動大臣のエドワード・デイビー氏は、1年半に及ぶシェールガス開発の一時停止措置を今週解除する見込みだ。「風力発電と原子力発電の割合が増える2020年代までは、エネルギー確保に貢献するだろう」と評価するコメントを述べた。

<引用元>2012年12月13日20時55分
Thomas K. Grose in London for National Geographic News
http://eco.goo.ne.jp/news/nationalgeographic/detail.html?20121213001-ng

ちょっとデータは古いが・・・
図1:2004年からの天然ガス価格の推移 グラフの通り 米国・ドイツ・日本の天然ガス価格を比較すると、シェールガス開発で沸騰する米国の天然ガスコストが劇的に低下している。
長期的な産業・景気に影響がでること必至である。 

米国のヘンリーハブにおける天然ガス価格は、英国のNBP(National Balancing Point)における価格の3分の1である。米国は、パイプラインを通じての輸送が主流であり、欧州と米国の間のようにパイプラインが接続されていない地域では、需給がまったく異なる。米国内での天然ガス開発の急進展や市況低迷は、エネルギー業者にも想定外であり、不採算のため撤退する動きも出ているという。

パイプラインが敷設できない長距離については、LNG(液化天然ガス)として輸送方法がある。(日本向けはこの方法となる) LNGは、設備や専用タンカーにコストがかかり割高だが、天然ガスをLNGにして輸出したいという声は、米国内のエネルギー産業でも根強いはず。従来、西海岸では輸入を前提にLNG受け入れ施設を作ったが、一転「輸出基地」と変貌する様相を呈している。

米国の情報
http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/1/1509/0411_saito_costaazul_r.pdf
カナダの情報
http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/4/4362/1104_out_f_canada_lng_export_upstream_kitimat.pdf

何れにしても、シェールガスに関しては日本の立場はどうにも弱い。
日本は世界最大のLNG輸入国である。 ロシア 米国 カナダ 豪州 中東 と リスク分散と原油価格連動からの脱却を図ることで、エネルギー戦略を進めていただきたいものである。

ここは日本として知恵の出しどころ! 新政権に期待するところ大である。

<余談> メタンハイドレード
 日本はメタンハイドレートの特性を研究し、地層内の圧力を下げるとメタンハイドレートがメタンと水に分解するという特性に目をつけ「減圧法」という生産手法を開発している。

2007年4月、カナダ北西準州のマッケンジーデルタ地域の陸上において、日本は世界で初めて「減圧法」を用いて地中のメタンハイドレート層からメタンガスを生産することに成功している。

2013年1月から3月にかけてはいよいよ約2週間程度の期間、数千〜万㎥/日のガス生産を想定した海洋産出試験が実施される。世界初となる海底からの産出試験に日本が成功すれば、2013年はシェールガス革命ならぬ日本発のメタンハイドレード革命の元年となる可能性も・・・?

「メタンハイドレード」に微かな光明が見いだせるといいですね。
日本の天然ガス確保策 〜メタンハイドレート開発技術を外交カードに〜http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=1039