鬼平の四巻目を読み終えた。
本巻の解説は佐藤隆介氏。
琴線に触れた部分を引用。

【引用開始】
「鬼平犯科帳」がいわゆる謎とき本位の捕物帳や007風のスーパーマン物と根本的に違うのは、池波正太郎があくまでも、(人間が人間として生きて行くために避けることが出来ない日常問題を、執拗に書き続けている・・・)
というところにあると思う。

組織と個人、仕事と家庭、嫉妬と反撥、信頼と裏切り、男と女、愛情と金・・・だれもが毎日のように経験するこれらの問題が、むしろ、このシリーズ小説の核だといったらいい過ぎだろうか。

結局、池波正太郎が「鬼平犯科帳」によって私たちに突きつけて見せるものは、いつの時代にも変わることのない、人間の裸の姿なのだ。

そこでは人間の本性が徹底したリアリズムの手法でえぐり出され、私たちは、(正義か、然らずんば悪か・・・)式の小児的倫理がいかにナンセンスであるかを否応なしに思い知らされる。 【引用終り】

全く同感!