私の剣道形は腑抜け。
はっきり言って魂が入っていないだろう!
後記する女性六段お二人が披露された白眉の演武を拝見し、恥ずかしくなった。

勿論、ご指導されたのが剣道形の研究にかけては当代随一の井上範士。
師匠と弟子による指導・稽古の賜物と得心した・・・

まず定評あるお手本の剣道形(余り画像は良くないがご寛容に)
日本剣道形 打太刀 熊本正 仕太刀 有満正明

さて、今日の本題の
「井上範士による剣道形講習会」
こちらは大変有名だそうで、神奈川県剣道連盟の招聘で県立武道館で講習会が開催されている。

「祐さんの剣道手帖 ( Yu-San's Kendo Memorandum )」から、続きを読むに引用させていただきました。

「もうひとつ小刀が真っ二つに切断され、後方へ飛び去る」
事態に! その時お二人は?!
もうひとつ小刀が真っ二つに切断され、後方へ飛び去る
打太刀 河野由香利(錬士六段)  仕太刀 桂 麻由美(六段) 

156. 第2回 井上範士による剣道形講習会(神奈川) ~実技編
昨年2011年9月に行われた井上範士による講演会の第2弾として、剣道形講習会が本日開催されました。
通常はこの時期に恒例の剣道形講習会が開催されるのですが、今年は特別に静岡井上範士を
お招きしての講習会です。

参加者は、八段9名含む約350名。 
特筆は、全剣連からオブザーバーとして岡村忠典八段が参加。

内容についてはいつものように私の備忘録的なまとめ方なのでご容赦願います。
●井上範士による剣道形講話:
・「命」・・・完全燃焼の大切さ。
・剣道形一本目から三本目までで日本の中学生に何を教えるか。
  一本目: 「義」・・正しいことを正しく実行するには力が必要。 実力の養成。
       智仁勇を力で表現する。⇒「武徳」
         *全剣連の松永副会長が「智仁勇の剣道」という言葉を使い始めた。
  
      「誠は天の道なり。 正しい天の教え。」
           ↓
  二本目:「慈悲の心」を以て必要最小限の胆力を身につける。
           ↓
  三本目:「無傷の更生」 相手を正す。

・山川草木すべての命が絡み合っている。この命に気づくかが剣道の分かれ目。
・命に直結する稽古、形稽古に心がける。⇒ 見て感動を呼ぶ⇒ 剣道普及発展の最大の価値。
・「剣道をスポーツとしてとらえれば、運動量は数あるスポーツのなかでビリから何番目」(小川忠太郎先生)

●静岡、河野由香利錬士六段、榛葉香錬士六段の剣道形模範演武。
・入場の気迫。これから命を賭けに行くのだというすがすがしい迫力。これはすごい!
  鬼と鬼との戦いか!
 井上先生談:「やればここまでできる。本当の稽古をやっていないからできない。命をかけていない」
・すべてが同じ。 形、稽古、居合は一つ。 剣道と社会も一つ。 剣道段位、社会段位も一つ。
・蹲踞から「昇龍の気」で立ち上がる。
・気合・・・死を覚悟した発声。 ある死刑囚の処刑前の叫びで囚人3,000人が静まった。
・今年から武道必修化が始まるが、金銭面、指導者面でほとんどの中学校が柔道を採用。
 ⇒わずか30時間でチャンバラのような打ち合いをやらせて本当の剣道は教えられない。
  30時間であれば道具など無用。(金銭面での問題は解消するはず。)
  剣道形による「武道」の精神に絞っての教育が望まれる。
・八段審査では剣道形はお情け受験。 柔道は大会で形演武はほとんどない。 形の重要性が
 軽視されてきつつある。 剣道も形がなくなるようなことがあれば柔道の二の舞。
 そうなると、スポーツ化する。 ⇒ スポーツとしての剣道は運動量はビリから何番目。

●実技:
・カラス天狗と長ばかまの侍の図が何を意図しているか。
  井上先生の解釈: 
   「八相は師の位。 釈迦は一生涯かけて学んだことを無償でだれにでもすべてを教える。
    脇構えは弟子の位。 体を師匠にさらけ出して、教えを乞う。」

・「いかなる大悪人に遭遇するとも刀を抜かせず切るな。詮方なきときは、袈裟打掛せしめて成仏させよ」
  の真の解釈⇒ 袈裟をまとわせて、仏弟子にしてやりなさい。ということで、袈裟切りに切り捨てよではない。

265. 第3回井上義彦範士による神奈川県剣道形研究会 〜壮絶形演武〜
http://www.youtube.com/watch?v=T73PhSHGl7Q&feature=youtu.be
昨年2011年9月、今年2月に続く、3回目の静岡井上義彦範士による神奈川県剣道形研究会。打太刀河野さん、仕太刀桂さんのおなじみ「形美人」のお二人による羽織袴刃引きによる演武。
小太刀二本目で河野さんが打ち込んだ直後、仕太刀の小太刀の刀身が真っ二つに「切断」(井上先生曰く)されて、仕太刀の後方に飛んでいきました。
 
 素晴らしかったのは、その後、平常心を保持したまま何事もなかったかのように、事前に準備されてあった予備の小太刀に平然と取り替え、ゆっくりと続きの形演武を続け切ったそのお二人の形演武に対する
覚悟です。今回で小太刀が折れたのは二度目のことだそうですが、井上先生の万が一のために小太刀をもう一本用意しておきなさいの指示も素晴らしい。 これぞ、先先の先。

表鎬、裏鎬ですり流すのだというきれいごとではない、まさに一刀両断、生きるか死ぬかの状況では刃こぼれどころか自分の身を守るのが精いっぱいという手加減なしの状況なので初めてこのようなことが起きるのでしょう。 300名の会場が一瞬どよめきました。

井上範士の講話も新鮮でした。
さまざまなお話の中で、今回私が印象的だったたことは以下の6点。
●明治から戦前の剣道の内面性が戦後になって我々に説明されていない。
●剣道(武道)の使命とは、
  「正しいことを正しく表現できる実力を養成すること。」⇒ 剣道形 一本目
  「いたずらにその力を発揮せず、謙虚に、相手を活かす勇気を養う。」⇒二本目、三本目
●柔道は武道ではないと嘉納治五郎先生は講道館に明言している。
 そのスポーツ化した柔道においても、三種の礼法を持ち現代社会の礼法を剣道よりもよく表している。
●剣道はまだまだ「思想」の点で世界に説明できる見解をまとめ切れておらずいたるところに矛盾がある。
  剣道と居合の「赤、白」の使い方の違い。
●ガッツポーズを「してはならない」のではなくて「できない」のが剣道。
●弓の場合の発声の剣道への応用:
  引くとき・・・エーイ
  矢を放つとき・・・ヤッ
  的に当たるとき・・・トウ

小林会長からの「攻め」とはなんでしょう?の質問に対しての答えは、
 酒を飲んで帰って、奥さんに「お父さん」とよばれてドキッとする・・・これが攻めだそうです。
日々是道場ですね。。。